2016年2月28日日曜日

PR活動の失敗

1時間以上、クリプターナに滞在する例の旅行会社がまたやってきた。
前回の添乗員さんが、次回が、今シーズン、最後のツアーになりますとおっしゃっていたので、今回がクリプターナのPR活動の最後のチャンスである
この旅行会社には、風車、洞窟の家、工芸美術館、そして、小麦挽きの実演とたくさんPRすることがある。
しかし、お会いした男性添乗員さん、人は良さそうだが、どうも気が弱そう。
「お会いできて良かった、うるうる」という感じである。
大抵、初対面の添乗員さんの場合、「誰この人?」と怪訝そうな顔をするものだが、この添乗員さんは違っていた。
風車の説明と風車の写真スポットへ旅行者たちを連れて行くことにした。
洞窟の家にもご案内したかったのであるが、残念ながら添乗員さんに断られてしまった。
最後に添乗員さんに

添乗員さん 「あのー。コンスエグラにも一緒に来ていただけると助かるのですが」
自分 「いやあ。私はフリーのガイドではなく、クリプターナ市の職員なので、それ以外の市では残念ながら活動できません。ごめんなさい。」

付いて行ってあげたい気持ちはあるのだが、職務上、無理である。
そんなことをして、ツーリスト・オフィスを空けたら、間違いなくクビになる。
結局、PR活動は断念することにした。



2016年2月25日木曜日

添乗員さんの役割

カンポ・デ・クリプターナのツーリストオフィスで勤め始めて、1ヶ月ちょっとが過ぎた。
そして、グループ全体の行動における添乗員さんたちの役割がとても大きいことに度々、気が付かされた。
旅行者たちが、クリプターナで何をするかは、到着前の添乗員さんの案内と、そして、到着後の添乗員さんの行動で決まってしまうのである。
まず、バスの中で、添乗員さんが、風車の中に入場することができますと旅行者たちを盛り上げた場合、ほとんど全員が風車の見学へと向かうし、添乗員さんが、おいしいワインやいちじくチョコが買えますと盛り上げた場合、ほとんど全員がお店へ直行ということになる。
また、到着後、添乗員さんがグループを引き連れ、風車の前でグループを解散させると旅行者たちが風車に向かう可能性が高く、丘でグループを解散させると、それぞれが写真撮影を楽しむということになり、風車の見学もお買い物も無しとなる。そして、添乗員さんがお店に直行すれば、グループ全員もお店へ直行となり、風車を見学することはほとんどない。
添乗員さんにクリプターナのツーリスト・オフィスの日本人スタッフが風車の説明をするということを旅行者たちに広めてもらうためのこちらの努力が不可欠であるし、添乗員さんたちと仲良くする必要がある。
そうしないと、クリプターナが単に写真撮影とトイレ休憩の場所となり、観光地となることは永遠にない。



2016年2月19日金曜日

おばちゃんのお休み

午前中に日本人グループがやって来た。
添乗員さんによると、旅行者たちは、お買い物に興味があるということで、添乗員さんは、グループを引き連れて、マダおばちゃんのやっているお土物屋さんへ一直線。
そして、添乗員さんだけが戻ってきた。
マダおばちゃんは、風邪で昨日、おとといと休んで、店を閉めていたのだが、今日は、ツーリスト・オフィスに何も言ってこなかったので、多分、今日から開け始めたんだろうなと思ったのが大間違い。
ちょうど、その頃、ツーリスト・オフィスにマダおばちゃんから、今日も風邪でお店を開けられないとの電話。
慌てて添乗員さんにその旨を伝えると、添乗員さんが、おばちゃんの店へ駆け戻り、旅行者たちを連れて戻り、ホサンおにいちゃんのいる別のお土産物屋さんへ。
結局、10分ぐらい時間を無駄にしてしまった。
グループは、ホサンおにいちゃんの店でお買い物を楽しむと、バスに向かい、別の場所へ移動してしまった。
もし、自分が事前に確認していていれば、このグループが10分も無駄にすることなく、風車内部の見学を楽しむことができたかもしれないと考えると残念である。



2016年2月18日木曜日

オーガナイズ

カンポ・デ・クリプターナのツーリストオフィスで勤め始めて、ちょうど1ヶ月があっという間に過ぎた。
いろいろなことを試し、失敗し、試行錯誤を繰り返している。
一番、難しいのは、どうやって旅行者たちを風車内部の見学へもっていくかである。
日本人グループがクリプターナに滞在する時間は、20分あまりである。
その中にうまく風車見学、トイレ、写真撮影、お買いものを盛り込まなければならない。
今までで、一つ分かったことは、風車の見学を最初にしなければ、後で風車を見学をするということはまずないということである。
最初にトイレとなると、女性用トイレには便座が2つしかないため、列を作ることになる。そうなると、2人ずつ用を終えることになり、最初の人たちが用を終えてから最後の人たちが用を終えるまで、5分以上はかかることになる。
「風車の内部見学を日本語の説明付きで5分後に致します。」と募っても、最初に終わった人たちが、5分も待つことはなく、さっさとどこかへ行ってしまい、もう一度、集まることはない。
また、添乗員さんが、「みなさん、お買いものがしたいそうなので、買いものの後に風車の見学をしたいと思います。」とおっしゃられも、結局、時間ギリギリまで買いものに費やすことになるので、結局、風車の見学は、時間切れで無しということになる。
そこで、いつも最初に風車の見学を勧めなければならない。
ただ、これにも問題がある。旅行者たちの中には、もうトイレの我慢ができないという人たちがいるからである。
そういう時は、1つのグループに対して、前半と後半とに分けて、2度、説明をするということになる。
その場合、前半は15名以上、後半は5名以下となる。
これが、最近、定着してきたパターンである。



2016年2月17日水曜日

ツーリストオフィスへの電話

今朝、ツーリストオフィスで仕事をしていると、オフィスの電話がなる。
同僚のエバさん(女性)が電話に出るが、どうも日本人らしいとのこと。
ツアーオペレーターからの予約かなと思いながら電話に出ると、添乗員さんだった。
今日の午後にクリプターナを訪れるという。
今日が出勤日でよかった。エバさんは英語も日本語も話せない。
添乗員さんが、自分の携帯ではなく、オフィスに電話をしてくるというのは珍しい。
インターネットで調べたのだろうか?
午後にはオフィスを早めに開けて、グループを待ち受けると、ほとんどの日本人観光客が風車に入場して、自分の説明をきいてくれた。




2016年2月16日火曜日

テレビ出演

本日も休みであるが、地元のローカルテレビがツーリストオフィスをテレビで紹介したいとのことで、近所の床屋で散髪をしてからツーリストオフィスへ。
ツーリストオフィスに着くと、たまたま日本人グループが来ていたので、まずはアテンド。
助かりましたと喜ぶ添乗員さん。
1時間以上待たされた後、テレビ局の2人と市の観光局長のピラールさん(女性)がやってきた。
休みの日なのにわざわざ来てくれてありがとうとやさしい観光局長さん。
こちらの方が恐縮してしまう。
取材の方は、予想通り観光局長さんが中心となる。
観光局長といっても公務員ではなく、実は、政治家である。
有権者である村人たちが観る地元のローカルテレビは、政治活動の宣伝の格好のチャンスとなる。
そして、自分の番。わずか2、3分ほどの取材に応じた。
テーマはもちろん日本人観光客についてである。
日本人観光客たちが自分の案内によって、もっとクリプターナで楽しんでもらいたいと抱負を述べておいた。




2016年2月15日月曜日

空振り

本日はお休みである。
女医さんである私のパートナーも夜勤明けで休みとなり、子供達は学校。
久しぶりに2人で外のバルでチュロスとホットチョコレートでのスペイン式朝食。
すると、携帯が鳴り響く。
日本の国際番号での発信。
今日の午後にクリプターナを訪れるグループの添乗員さんであった。
どうやら、他の添乗員さんから自分の連絡先をもらったものの、駐車場の予約のための電話番号と勘違いしたらしい。
クリプターナはコンスエグラと違って、駐車場の予約は必要ない旨を伝える。
せっかく電話をくれたので、休みではあるが、アテンドすることにした。

しかし、お会いしてみるとかなり素っ気なく、時間が心配で、風車の入場見学にかなり消極的。
まあそれも良しということで、添乗員さんにカンポ・デ・クリプターナの観光案内と3つある無料トイレの場所を教え、退散することにした。
次回は、風車の入場を希望されることを願いつつ。



2016年2月14日日曜日

小麦挽きでのハプニング

クリプターナでは、毎月、第1日曜日に実際に風車を動かし、小麦挽きをするという行事がある。
今月は、本日、第2日曜日に行うこととなった。
午前10時頃から始まった。
寒いとはいえ、風も充分あるし、小麦挽き日和である。
しかし、時間が経つにつれ、風がどんどん強くなり始めた。
日本人グループのアテンドを終え、少し手が空いたので、12時半頃に風車の中へ。
いつも通り、風車のお兄さんのホアンさんが、軽快に小麦をひいている。
実は、自分が日本人グループにしている説明は、このホアンさんが自分に教えてくれたものである。
さて、持ち場をあまり長いこと離れているわけにもいかないので風車を出ると、まわりの叫び声。
「ホアン、とめろ!」
何かと思い、振り返ると、4枚ある風車の羽根の一枚が折り曲がり始めていた。
そして、とうとう完全に折り曲がってしまった。
幸い、羽根には帆が張られているので、羽根が折れても、下に落ちることはない。
事故には至らなかっった。



2016年2月13日土曜日

イングリッシュ・ガイド

午後に来るグループは、日本人グループであるが、ツーリストオフィスのイングリッシュ・ガイドを予約している。ところが、午前中にガイドのキャンセルを受けた。
理由は、色々考えられる。

実は、先週の土曜日にも同じ旅行会社の同じツアーからイングリッシュ・ガイドの予約を受けたのであるが、日本人グループとは知らなかったため、自分は休みをとっていた。
上司のベアさん(女性)がアテンドしたのだが、添乗員さんが英語をほとんど理解できなかったため、ボロボロだったという。
また、添乗員さんのゲスト・コントロールも他の日本人添乗員に比べるとイマイチだったという。
これらの情報からすると、この旅行会社から来る添乗員さんは、添乗の専門家ではない。
おそらくは、この旅行会社の企画か営業のスタッフであろう。

キャンセルの原因は、今回の添乗員さんも企画か営業のスタッフであるため、英語に自信がないか、あるいは、純粋に日程上、ほとんど時間がないかである。
ただ、企画か営業のスタッフとなると、クリプターナのプロモーションに大きな役割を果たしてくれる可能性が大である。
ということでアテンドすることにした。

日本語で風車の説明をしましょうか?と声をかけるとすんなりOKしてくれた。
きつい日程ではなさそうである。
そして、先週のグループについて話を切り出し、日本人グループとは知らず、自分がアテンドしなかったことを詫びておいた。
とりあえず、旅行者たちは、日本語の風車の説明を喜んできいてくれた。



2016年2月12日金曜日

洞窟の家

工芸美術館より突然の電話。
日本人グループが来ているとのこと。
慌てて工芸美術館へ行くと、2月5日、10日と来ていた旅行会社のグループだった。
そして、添乗員さんが私のインフォメーションを待っている。
前々回、前回と比べるとさらに大きく前進。
市営の無料トイレと工芸美術館洞窟の家を紹介すると、添乗員さんは工芸美術館には興味を示してくれなかったが、洞窟の家へ行こうということに。
本当は、両方を案内したかったのであるが、贅沢を言ってはいられない。
実は、日本人グループからきちんと入場料をいただいて、洞窟の家へ行くのは、これが初めてなのである。
前回同様、風車の前で、風車の説明をした。
とても喜んでくれた。
そして、洞窟の家へ。
今回は、前回と違って、きちんと入場料をいただくことができた。
きちんと説明し、風車同様、とても喜んでくれた。
将来的には、すべての日本人グループに、1時間ぐらい、クリプターナに滞在してもら
い、風車と洞窟の家を訪れることを夢みている。
まだ、たくさんの道のりが残されている。
果たして、残り9ヶ月で、できるかどうか?
自信があるといったら、ウソになる。



2016年2月10日水曜日

好転! 好転!

先週の2月5日に訪れた同じ旅行会社の同じ日程の日本人グループがやって来た。
男性添乗員さんにまずは、ごあいさつ。
ただ、意外なことに愛想がいい。
あれ?と思いながら、カンポ・デ・クリプターナの説明をしましょうかと誘うとすんなりOK。
思わぬ肩すかしを喰らってしまった。
案の定、風車への入場は、コンスエグラでということだが、一行は、洞窟の家へ。
一緒に行くべきかな(!?)ということで、オフィスの戻って同僚にその旨を告げ、洞窟の家へ。
ところが、洞窟の家へ行ってみると、もう、みなさん、洞窟の家の中へ。
実は、この洞窟の家、入場券を買わなければならない。
そこで、添乗員さんへ。

自分 「あの、誠に申し訳ございませんが、洞窟の家は、入場料がお一人様、60セントかかります。」
添乗員「えっ。そこの店のおばさんが無料だと言ったので、お客様にもう無料とご案内してしまいました。」

実は、この洞窟の家は、添乗員さん達の間で、「おばちゃん」と呼ばれているマダおばさんのお土産物屋さんと併設されている。そのおばさんの仕業である。
もう添乗員さんが案内してしまった以上、もうどうすることもできない。
元はと言えば、最初にきちんと説明しなかった自分の責任でもある。
ここで、60セント集めれば、お客様達は、添乗員さんを責めるであろう。
添乗員さんにもお客様達にもクリプターナに対して、不快な思いを残すことになり、それは、この村のプロモーションにマイナスなだけである。

自分 「分かりました。今回は、無料で構いませんので、次回からはお願いします。」

また、添乗員さんは、毎月、第1日曜日の風車を使った小麦挽きの実演の話にかなり興味を抱いている様子だった。
もしかしたら、可能かもしれない。
2月5日のグループに比べるとかなり好転した感触。

午後の日本人グループは、添乗員さんからの予約を2月2日から受けている。
といっても、実際にお会いしたことはない。
アテンドした添乗員さん達には、自分の連絡先を渡しており、またクリプターナに来る時には、連絡してほしいと伝えている。
自分の休みのシフトを代えたり、閉まっている時間のオフィス、風車、トイレを開けるなどして、アテンドするためである。
幸いなことに自分の連絡先が、添乗員さん達の間で伝わっているのである。
そして、この添乗員さんには、もし、同じ時間帯にクリプターナに来る日本人グループを見かけたら、両方にアテンドするために、間隔を空けてほしいと伝えた。
案の定、2つのグループが同時にやって来たのだが、間隔を空けてくれたため、両方のグループにアテンドすることができた。
また、予約された添乗員さんのグループは、添乗員さんがバスの中で、お客様のテンションを上げてくれたため、全員が、自分の風車の説明をきいてくれた。
添乗員さん達のクリプターナ観光へ果たす役割は、かなり大きいのである。



2016年2月9日火曜日

クリプターナの観光産業

今週から2人も人数が少なくなるということから、今日は、上司の1人であるベアさん(女性)と一緒に仕事となる。
責任者だけあって、話は、日本人グループに関するものとなる。
要は、日本人グループがクリプターナで昼食をとるようにしたいというものである。
気持ちは分かる。
クリプターナは、日本人グループにとって、風車の写真を撮って、トイレ休憩をするだけの場所である。お金は全く落ちない。
平均滞在時間は、20〜30分だけである。
もし日本人グループがクリプターナで食事をすることになれば、地元のレストランにお金が落ち、しかも滞在時間も長くなり、風車だけではなく、他の工芸美術館洞窟の家といった他の観光施設にも訪れることが可能となり、地元のお土産物屋さんも商売がし易くなる。
日本人旅行者もカンポ・デ・クリプターナをもっと楽しむことができる。
いい事づくめなのではあるが、容易ではない。
日本の海外ツアー旅行は、とにかく安いのが売りなのである。
より安いツアーを探し、その分、買い物にお金をかけたいという旅行者が、一般的なのである。
そうなると安いレストランを探さなくてはならない。
おまけに安いといっても最低条件は満たさなければならない。
バスがすぐ近くに停められること。
サービスが迅速であること。(1時間で食べ終わらなければならない。)
トイレがきれいで大きいこと。
テーブルクロスは、紙ではなく、布であること。
これだけの条件を満たすレストランとなるとそんなに多くはない。
いやほとんどないという方が正しい。
前途多難であるが、他に道はない。



2016年2月7日日曜日

大混雑

今週から人数が少なくなる。
村の中心にある考古学博物館で働いている人の3ヶ月間の契約が満了となり、今週から毎日、我々の中から1人、考古学博物館で働かなければならなくなったのである。
さらに同僚のテレサさん(女性)の契約も明日で満了となる。
明日からは、さらに少ない人数で乗り切らなければならない。
ジョルディさん(男性)によると2週間は、後任が来ないとのこと。
そして、今週は、カーニバルのお祭り、そして、来週の日曜日は、月に1度の小麦挽きである。(実際に風車を動かし、小麦挽きをする行事。)
見事なオーガナイズである(皮肉)。

今日も最初は、テレサさん(女性)、ヒセラさん(女性)と自分と3人でスタートしたものの、12時になったところで、テレサさんが考古学博物館へ。
すると、たくさんのスペイン人観光客が詰めかけ、ツーリストオフィスは外まで人であふれかえることとなったのである。
風車の内部の見学をしたい人ばかりだが、そんなにたくさんは狭い風車の中には、入れない。
2つの風車を開けるしかない。
風車を開けている間は、ツーリストオフィスの人間が風車に必ずついていなければならない。
我々はたったの2人である。
ツーリストオフィスを一旦閉め、ヒセラさんと自分でそれぞれの風車につくことにした。
バレンシアから来る日本人グループがクリプターナにいつ来てもおかしくない時間だと思っていると、案の上、観光バスの到着。
持ち場を離れることができず、アテンド不能。
残念であるが、仕方がない。
もっとも我々が、仮に3人だったとしても、これだけのスペイン人観光客がいたのでは、日本人グループへの風車の案内は不可能であった。



2016年2月6日土曜日

クレーム!

午後に日本人グループへのアテンドを無事に済ませ、ツーリストオフィスの中で、いつも通り、観光客たちへのインフォメーションをしていると、30歳ぐらいの1人のスペイン人女性が入ってきた。クレームである。
彼女が言うには、たった10分足らずのガイド付きにしては、風車の入場料が高すぎるというものだった(大人2ユーロ、子供1ユーロ)。
内心、ビックリした。というのもこの周辺の観光施設に比べるとこの値段は決して高くはない。
おまけに今から400年以上前に建てられた風車であり、セルバンテスが世界的に有名なドン・キホーテを書いた際にモデルになった風車の1つである。
ガイドの説明が短すぎるということであるが、実は、この説明はツーリストオフィスがプロモーションの目的で、スペイン語・英語・日本語で自主的に行っているものであり、入場料には含まれていない。
無料のサービスであり、何分やらなければならないというきまりはない。

逆に、日本人グループを相手に10分以上も説明をしょうものならクレームとなる。
日本人グループがクリプターナに滞在する時間はわずか20分程である。
その中で、風車内部の見学、写真、トイレ、買い物とこなさなければならない。
そして、レストランの予約時間に遅れるわけにはいかない。
時間厳守なのである。

さて、クレームへの対応なのであるが、大切なのは、クレームする側をまず落ち着かせることである。
不満を全部、言わせて、スッキリさせてあげなくてはならない。
とにかく、最後まで黙って聞くことである。
相槌を打つ必要なないが、逆らうべきではない。
クレームに対するこちらの説明は、まずお客様が落ち着いてからである。
そうでないと火に油を注ぐことになる。
ところが、悪いことにガイドを対応した同僚のテレサさん(女性)が戻って来たからさあ大変。

お客様 「説明がわずか10分程だった。」
テレサ 「いつも15分以上やっている。遅れて来たのだから、最初の部分を聞き逃している。」
お客様 「自分は法律家なので、何をしなくていいかは分かっている。あんたはあっちへお行き。」
テレサ 「なんて失礼なことを言うの。そっちこそ初めっからお金を払う気なんか、なかったくせに。」
お客様 「そっちの方こそ失礼だわ。私の方が学があるから礼儀についても私の方が心得ている。」

と収集がつかなくなってしまった。
結局、お客様がクレームを文書であげるということで、ここは、一旦、お互い鞘に収めることとしたが。
クリプターナ出身であるため、この仕事に誇りをもっているテレサさんは、後ほど、わんわん泣いていた。



2016年2月5日金曜日

ライバル

午前中、11時頃に日本人グループがやってきた。
いつも通り、添乗員さんにごあいさつ。
こちらの顔すらもほとんど見ず、そっけない。
実は、予想通り。
もうすでにバスを見ているので、どこの旅行会社なのかは分かっている。
この旅行会社は、お客様へのサービスを特に重視している。
今は知らないが、20年前には、社長さん自らが、空港でお客様のお見送りに駆けつけるほどの過剰サービスだった。
したがって、お客様へのトラベルを避けるために、他所からのコンタクトを徹底的に排除したいというわけだ。
案の定、クリプータにあるお土産もの屋さんのお兄ちゃんも英語で話しかけていたが、
つっけんどんにされていた。
添乗員さんの立場を理解しているとはいえ、アプローチは大切。
このグループは、他の日本人グループと違って、1時間はクリプターナに滞在する。
添乗員さんにクリプターナの観光資源を説明し、旅行会社に戻った時に同僚たちに伝えてもらいたい。
クリプターナにあるのは風車だけではない。


自分 「風車の中に入りますと、私が無料で風車の説明をします。」
添乗員 「この後、コンスエグラに行きますので、風車はそこで入場します。」
自分 「市の無料トイレがツーリストオフィスの裏に用意されています。」
添乗員 「ここで食事をするので、そのレストランを使います。」
自分 「クリプターナには、風車だけではなく、洞窟の家工芸美術館も用意されています。」
添乗員 「はいはい、分かりました。」

何の興味も示してくれない。
『もう分かりました。邪魔ですからあっちへ行ってください。』と言われる寸前のところで退散。
ただ、伝えるべきことはみんな伝えた。
日本人観光客たちを傍観しながら考える。
おかしい。1つ腑に落ちない。
クリプターナの風車よりコンスエグラの風車に入場したいとは。
クリプターナの風車は、コンスエグラの風車より歴史がある。
それに有名なドン・キホーテの舞台となった風車である。
おまけに入場料も安い。
入場料!?ああそうか。大事なことを忘れていた。
コンスエグラはアンダルシア街道沿いにあるという地の利で、1日10以上の日本人グループが押し寄せる。
しかし、クリプターナ同様、村に一銭のおカネも落ちないことで有名だった。
そこで、昨年から大型バスに対して駐車料金を課すことにしたのだ。
さすがに口にこそ出してはいわないが、日本人グループから強制的におカネをとることを目的としていることは明白である。
コンスエグラも風車は丘の上にあるので、下から歩いて登るのはちょっときつい。
ただ、そうやって、おカネをとることに気が引けたのか、駐車料金を払ったグループは、風車に無料で入場できるのだ。やられた。
クリプターナにさえ来てくれれば、誰かが風車に入場するだろうと思ったのが、大間違い。コンスエグラの利点は、地の利だけではなく、このシステムにもある。クリプターナとコンスエグラの両方を訪れるグループはコストを下げるため、コンスエグラの風車に入場するのである。さすがだ。まさに強力なライバル。
考えていると、添乗員さんがレストランに1人で向かう。当然、何もすることがないので、レストランの時間を早めにできないかという交渉であろう。
そうなると、観光客たちが写真をとる手伝いをしてくれる人がいなくなる。
チャンス到来。出番である。
自分がツーリストオフィスの日本人スタッフである旨をつげ、写真のお手伝いを申し出る。
すると、最初は、恐る恐るシャッターを押してくれると頼む人たち、それに対し、笑顔で気持ちよく対応。すると、なかには、クリプターナに関して質問をしてくる人たちも現れる。観光客たちが少しずつ心を開き始めているのが伝わる。
やがて、添乗員さんが戻って来る。勝負どころである。

自分 「お客様からかなり質問も出てますし、クリプターナや風車について、説明いたしましょうか?」
自分 「無料ですし、自分は市の職員ですから、チップ等も一切、いりません。」
添乗員 「分かりました。」

実は、風車に入場されないお客様に対し、オフィスの外で村や風車の説明をするのは、ツーリストオフィスの業務ではない。
自分のねらいは2つある。
1つは、純粋にわざわざ地球の反対側から来られた日本人観光客の方々にできるだけ、クリプターナを知って楽しんでもらいたい。
もう1つは、この旅行会社に対して、カンポ・デ・クリプターナ市が日本人観光客を大切にしており、風車だけではなく、洞窟の家工芸美術館もあるということをアピールしたい。この旅行会社の日程にはその余裕がある。
このグループが昼食が終わった頃を見計らい、バスまでお見送りに行く。
観光客たちは、喜んでくれたようなので、ホッとした。
種はまいた。ただ、芽が出るかは分からない。簡単ではない。根気の勝負だ。



2016年2月4日木曜日

突然の電話コール

午前中の仕事を終え、家で昼ごはんを食べていると、携帯の電話が鳴り響く。
日本の国際番号でのコーリングだ。

電話 「添乗員です。今日はクリプターナのツーリストオフィスにいらっしゃいますか?」
自分 「はい、おりますが。」
電話 「あと2、30分でクリプターナに着きます。よろしくお願いします。」
自分 「はい、分かりました。お待ちしております。」

昼ごばんはまだ半分も食べていない。
クリプターナのツーリストオフィスで働いているとはいえ、実は、10km離れた隣村のアルカサル・デ・サン・ファンに住んでいる。
車で15分とすると、もう食べている時間はない。
急いで歯を磨き、服を着ると、家を飛び出した。
こういうケースは大事にしなくてはならない。
私がいると知った添乗員さんは、今頃、バスの中で、日本人が風車の中を案内してくれるということで、お客様のテンションをかなり上げているはずだからである。
グループより先にクリプターナに着き、風車の窓を開けて準備万端。
案の定、22人中20人のお客様が自分の説明を受けてくれた。



2016年2月3日水曜日

スランプ

今日から元のツーリストオフィスでの営業再開である。
もっと時間がかかるかと思ったが、あまりに早い営業再開でちょっとビックリ。
午前中に市の人が来て、天井を2時間ほどで直すと、清掃をして、元どおりとなった。

今日の午後は2つの日本人グループが同時到着。
合計で60人以上の日本人観光客で賑わった。
しかし、風車に入場をした日本人観光客はたったの5人。
2日前の午後にも30人ぐらいの日本人グループが到着したのだが、風車に入場をした日本人観光客はたったの6人であった。
これにはガッカリ。
1月は、自分の呼びかけで最低でも10人の日本人観光客が集まったのだが、今月に入って2回連続で10人を大きく下回った。
2年前に6ヶ月間に及ぶ旅行関係のセミナーを受けた時、クリプターナのツーリストオフィスで何年も働いていたマリソル先生(女性)が、「日本人観光客は、トイレに行って、写真をとるためにクリプターナに来るだけで、風車の仕組みになんか誰も興味を持たない」と語っていた。当時は、「そんなことはない」と思っていたのだが、今、その言葉が胸に重く突きささる。