2016年2月6日土曜日

クレーム!

午後に日本人グループへのアテンドを無事に済ませ、ツーリストオフィスの中で、いつも通り、観光客たちへのインフォメーションをしていると、30歳ぐらいの1人のスペイン人女性が入ってきた。クレームである。
彼女が言うには、たった10分足らずのガイド付きにしては、風車の入場料が高すぎるというものだった(大人2ユーロ、子供1ユーロ)。
内心、ビックリした。というのもこの周辺の観光施設に比べるとこの値段は決して高くはない。
おまけに今から400年以上前に建てられた風車であり、セルバンテスが世界的に有名なドン・キホーテを書いた際にモデルになった風車の1つである。
ガイドの説明が短すぎるということであるが、実は、この説明はツーリストオフィスがプロモーションの目的で、スペイン語・英語・日本語で自主的に行っているものであり、入場料には含まれていない。
無料のサービスであり、何分やらなければならないというきまりはない。

逆に、日本人グループを相手に10分以上も説明をしょうものならクレームとなる。
日本人グループがクリプターナに滞在する時間はわずか20分程である。
その中で、風車内部の見学、写真、トイレ、買い物とこなさなければならない。
そして、レストランの予約時間に遅れるわけにはいかない。
時間厳守なのである。

さて、クレームへの対応なのであるが、大切なのは、クレームする側をまず落ち着かせることである。
不満を全部、言わせて、スッキリさせてあげなくてはならない。
とにかく、最後まで黙って聞くことである。
相槌を打つ必要なないが、逆らうべきではない。
クレームに対するこちらの説明は、まずお客様が落ち着いてからである。
そうでないと火に油を注ぐことになる。
ところが、悪いことにガイドを対応した同僚のテレサさん(女性)が戻って来たからさあ大変。

お客様 「説明がわずか10分程だった。」
テレサ 「いつも15分以上やっている。遅れて来たのだから、最初の部分を聞き逃している。」
お客様 「自分は法律家なので、何をしなくていいかは分かっている。あんたはあっちへお行き。」
テレサ 「なんて失礼なことを言うの。そっちこそ初めっからお金を払う気なんか、なかったくせに。」
お客様 「そっちの方こそ失礼だわ。私の方が学があるから礼儀についても私の方が心得ている。」

と収集がつかなくなってしまった。
結局、お客様がクレームを文書であげるということで、ここは、一旦、お互い鞘に収めることとしたが。
クリプターナ出身であるため、この仕事に誇りをもっているテレサさんは、後ほど、わんわん泣いていた。



0 件のコメント:

コメントを投稿